熊野大社は古来出雲国で最も社格の高い一の宮として知られています。ここには神祖熊野大神櫛御気野命(かぶろぎくまののおおかみくしみけぬのみこと)が祀られており、この御神名は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の別神名です。他には御后神の稲田姫をお祀りしている稲田神社や、御母神の伊邪那美命(いざなみのみこと)をお祀りしている伊邪那美神社もあります。特に鑽火殿(さんかでん)は当社独特の社殿であり、火をおこす神器の燧臼(ひきりうす)と呼ばれる1m×12cm×3cm 程の檜板と燧杵(ひきりきね)という長さ80cm、直径2cmの木の丸い棒が奉安されています。毎年の鑽火祭(さんかさい)や出雲大社宮司の襲職時の火継式の大切な祭場になっています。